そろそろ宿題のかはどりに格差が生じてきて、ジャーと鳴り続ける蝉時雨とともに、あの少年時代特有のメランコリーが降ってくる頃となりました。
「まだまだ時間はたっぷりとあるぞ、遊べ遊べ」と悪魔に囁かれたところで友だちは遠出していて留守だし、大人は仕事だし、暇人は地球上で自分だけ。ひとりで山へ行き秘密のポイントにクワガタの罠を仕掛けるか、川へ行って泳ぎつつアユやヤマメを狙うか、そんなことばかりしていたような。あと、おやつ用の野菜泥棒も(遊びに行く時、ポケットにはアジシオの小瓶が)。
お盆が過ぎ、祭りが過ぎ、いよいよあと数日となっても宿題はほとんど手つかずのまま。あれはどうしたんだっけなあ。なんとか形にはしたんでしょうが、ほとんど記憶にないのです 。覚えているのは「始業式の日は、自由研究以外はまだ提出しなくていいんだ」という執行猶予判決のありがたさ。