紺屋の白袴
「こんな時こそ庭を」という方々の対応にアクセル踏み続ける日々で、ついつい紺屋の白袴、灯台下暗しにして医者の不養生、自宅の庭を1週間放ったらかしたら芝生に雑草は生えるわ、バラは強風で折れるわ、しぶとく頑張っているビオラは花がらだらけになるわで、いやはや。
というわけで、こないだの休日は早朝よりビールを携え犬を従えて庭へ。
やっぱりねえ、ありがたやありがたや、春の陽射しを浴びながら裸足で芝生を歩く心地よさと言ったらもう。
半日じっくりと手入れをして命の洗濯。午後はシーツとお気に入りのシャツを洗濯。そうそう、庭もいいけど最近洗濯が楽しくて楽しくて。凝り性なものですからパーカー、トレーナー、ラガーシャツは裏返して丁寧にたたんでから洗濯ネットに入れ、おしゃれ着洗い用の洗剤と柔軟剤をセットして、ドライコースの時間延長でスイッチオン。干しは風通しの良い日陰でゆっくりと。こうするとふっくら仕上がって、色あせもなく長持ちします。お気に入りの衣類を手間暇かけて丁寧に洗うという、これぞ心の贅沢なり。
花がら摘みの Before・After
それとですね、料理も楽しいし、その前に包丁を研ぐのも楽しいし、そんなことしながら聴く音楽も楽しいし、ステイホームってのは楽しいことだらけですなあ。永六輔が晩年、自分を「男のおばさん」と称していましたけど、まさしく、還暦となってぼくもおばさん化が始まったのかもしれません。
もともと家事は好きな方で、それがこんな事態になると拍車がかかりまして、レジャーに匹敵する気分転換であり、仕事と同等に充実の時間なり。ところが女房殿にはうざいらしく「台所を占領されるのってすっごくストレスなのよね」と、時々マジでお怒りになる。はいはい、わかりますよその気持ち。遠慮気味にやりますんでどうぞお許しを。
テレワークによるストレス云々も取り沙汰されていますよね。そりゃあそうですよ、いつもはいない人が朝から晩までずうっといるわけですから、まだ湯気を立てているホッカホカの新婚さんじゃない限りイライラするのは当たり前。でもね、ここでイラついてしまったらチコちゃんに叱られる!仲良くやりましょうよ。遠い遠い昔にイエス様か、お釈迦様か、天照大御神の前で誓ったでしょ、健やかなる時も病める時もって。大変な時こそ笑顔を絶やさず二人三脚で、足首の鉢巻きをしっかり結び直して進みましょう。
今年は長持ちで、まだまだ咲いてくれそうです。
奥様方、萩本欽一曰く愛が地球を救うように、あなたの笑顔は地球規模の危機から家庭を救います。あ、ちなみにうちの奥さんの笑顔ときたらもう、それはそれは魅惑的でして。あの日、焼き鳥屋のカウンターで隣り合わせた奇跡の時の、アマテラスかと見まごう微笑の虜となった瞬間が天国への階段の始まりだったわけです。あれから幾星霜、天国と地獄を激しく上下するジェットコースター。笑ってない時は般若か鬼かはたまた黒澤羅生門の毛抜き婆か、それはそれは恐ろしい形相に震え上がります。
ひと仕事終えて昼寝をしてたらムギに起こされました。
ひたすら遊びたいお年頃。
繰り返します。奥様、笑っていてください。あなたに課せられた役回りは笑顔の人。世界中でその役を演じきれる女性だけが家を安らぎの場所にし、庭に花咲かせ、家庭を地球という球体と同期させた円満なものにするのです。え、じゃあ旦那はイラついたり仏頂面していてもいいのかって?違うんですよ、そこには二つの誤解がある。ひとつ、三船敏郎の時代、男は笑わず黙ってサッポロビールを飲んでいた。それが男だった。もうひとつはね、笑顔というのは進化の過程でメスが身に付けた知恵で、それを有効にするためには対極に仏頂面のオスが要だったのです。だからあなたが笑うほど旦那ははにかんでむすっとする。逆だったらどうします?いつも笑顔の旦那様ならなたのイライラは果てしなくなるんじゃないでしょうか。でしょ。笑う役の方が随分と得ですよ。
カオリさん、ありがとう。いろいろと大変な日々だけど、スッマァ〜〜〜イル。
ゴールデンウィークも終盤。アフターコロナをイメージして、庭の手入れをそんぶんに。それとですね、カーテンを開けて暮らしましょうよ。庭に目隠しが必要ならご連絡くださいね。