庭に関する相談事の半分は「苦労を減らしたい」というものです。苦労とは雑草取りであり、木の剪定であり、落ち葉掃きであり、つまり植物に関すること。ぼくは思うんですよね、最初の設定に誤りがあったのではないかと。「庭は植物を植える場所」と思い込んでしまった、あるいは他の楽しみ方が思い浮かばないままに芝生を張り、木や草花を植えてしまった結果が「庭は苦労の場所」となったわけです。
スローライフガーデン
芝生、畑、バラ、ハーブ、果樹、花木、生垣、雑木類・・・
植物がストレスになるって、精神的にけっこう深刻な状態かも。
まして土に触りたくないとか、虫が嫌だから庭に出ないとか、
もっとひどい場合は日に当たりたくないとか、
まずいですよそんな暮らしをしていたら。
ダメですって、植物を嫌って、自然と反目して、
いったいぜんたい何を欲しがっているのでしょう。
失うものばかりだと思うのですがねえ。
改善方法は2つあります。1、土を少なくして苦労を減らす。2、苦労を楽しみに変換する。
2が理想ですけど、ピンと来ないかもしれません。ではご説明いたします。
なぜ植物の管理がストレスになるのかというと、植物のために庭を使っているから。庭はあなたのための場所であり、ご家族のための場所であり、そこを有効な生活空間として成立させるために植物が必要なのだ、ということで植物を植えればいいわけです。自分のためなら、家族のためなら庭仕事は楽しくなるし、楽しさを超越して安らぎや感動や、あなたが家族に感じている幸せな出来事と同等の感慨が得られるはず。その庭をリビングやキッチンと同じに暮らしの場所と捉えてみる、するとそこは健康な気持ちで暮らすためになくてはならない、大切な空間になります。
え、リビングもキッチンも庭みたいに荒れ放題ですか。それじゃあ庭どころではないので、先にお片付けを始めましょう。
家庭を省みるいとまもなく、ガツガツカリカリしながら、リゲイン飲んで24時間戦ったのは遠い昔のお話。美しく暮らす、丁寧に暮らす、スローライフの時代です。