穏やかにして梅雨らしい湿気の日曜日が終わり、やはりそうなんですよ、庭に意識が行って、庭から次の暮らしを整えようとする人が増えている。
花のパンデミック
アジサイはご存知梅雨の花。
その傍らに突き出した、アガパンサスは初夏の花。
港南区、栄区、磯子区で、ここ数年で驚くほど増えました。
この薄紫のパンデミックはいい感じ、いい感じ。
そういう前向きな相談が立て続くものだから、こちらとしては常にその庭条件の中での希望と可能性を語るポジションに立つわけで、希望を語れば語るほど自分自身が自信満々の希望の人になってゆくわけで、すると相変わらず仕事が遅れっぱなしで、油断をすれば即座につげ義春描くところの無能の人と自己卑下する弱気な自分が消えてゆく。無能の人ってユーノー?無能の人は一周まわって有能の、極めれば万能の人なり。
この春ついに踏み切った糠漬けによる腸内ガーデニングで体調を整えながら、庭に出ては Re-ラックス、Re-チャージ、Re-バランスを心掛けつつ毎日コツコツとベストを尽くしております故に、こうして自己を Re- して、利して、理にかなった Re- ガーデンを発想する。いいぞいいぞ、簡潔にして完結しているこの営み。意図なき営みは迷い道クネクネなれど、愛しさ胸に糸を紡げば縦の糸はわたし、横の糸はあなた、そのタペストリーを強固に美しく仕上げる斜めの糸がデザイン力。
自分で言うのもなんですが、誰も言ってくれないから言いますが、コロナが始まってからのデザインの冴ってすごいんですよ。比類無きです。誰と比して?もともと独自性が強い庭観で設計していますから比べる相手も見当たらず、コロナ以前の自分と比してとなります。コロナ以前・・・あなたは以前と以降、あるいは渦中にあって、それ以前と何が変わりましたでしょうか。きっと大きく変わったはずなんです。そうじゃないと今日こうして、この庭ブログにたどり着く余裕などないでしょうから。まだまだ庭どころじゃないたくさんの人たちにお教えください、グレースランドへ行ってごらんなさいって。少なくとも思考のベクトルは希望の光が射す方へ向きますので。いやほんとに、最初に思考ありき、次に設計で試行しワクワクが熟成したら施工に至り至福の庭の出来上がり。時間さえいただければ必ずあなたを安らぎと感動の庭世界へナビゲートいたします。
庭づくりにおいて思考とは至高の力なり。希望を持てば希望の光に満ち満ちた庭がいとも簡単に出現します。では庭における希望とは何か。そこなんですよそこ、多くの人が庭で希望を感じた経験がないようでして、経験がないということは悲観的に、懐疑的に、落とし穴があるかもしれないし、毒蛇に噛まれるかもしれないし、蚊に刺されたらデング熱になるかもしれないし、日に当たると皮膚癌になるかもしれないしと驚くほどのマイナス思考になりがちなんですよね。そんなの何の役にも立たないので、経験がないなら想像してみましょうよ、幸せな庭がある暮らしを。イマジネーションをかき立てるネタは健全なる家族意識がスタンダードだった昭和時代の映画とか、南米マジックリアリズム文学のお勧めガルシア・マルケスとか、夏の陽射しにクラクラしながら精神病院の庭で見上げた糸杉を描いたゴッホとか、はたまたあなた史上もっとも幸せだった、幸せが空気や水みたく溢れていて、幸せという精神状態を定義する必要がなく、気づくこともなく泣いたり笑ったりしていた幼き日々の記憶の引き出しを開けてみるとか数限りなし。その想像が創造の源泉ですから、ぼくと一緒に海馬と前頭葉を刺激しながらニューロンの糸を紡ぎ、側頭葉で見事なタペストリーに仕上げるが如く、龍が如く、翔ぶが如く、あなたの理想の庭を思い描いてみませんか。
戯れにでも、ただの一度もそんな試みをせぬままに、「庭なんて何であるんんだろう、雑草取りとか面倒臭いだけなのに」とブースカブースカ快獣ブースカ、カネゴン、ナメゴン、ガラモン、ピグモン、ケムール人な人生を送ることのなきように、心より、心よりの進言でござ候。クリシェ、イメージできたらできたも同然なり。