美空6歳
美空が6歳になりました。古今東西のクリシェながら、もう6年経ったんだと、俺も歳を取るわけだよなあと、健やかに育ってくれている姿に愛おしさを覚えつつ、着実にお祖父さん界を進んでゆく自分とのコントラストに一抹の・・・。
一抹の爺さん感情。一瞬浮かぶ、一握の砂を掴まえる。悲しさではなく、嬉しさの中にいて、そこにさほど長居ができないであろう我が年齢の加速度たるや、星雲を次々追い越す銀河鉄道のようである。
歌集『一握の砂』より何編かを。
東海の小島の磯の白砂に われ泣きぬれて 蟹とたわむる
砂山の砂に腹這ひ初恋の いたみを遠くおもい出る日
たわむれに母を背負いて そのあまりに軽きに泣きて 三歩あゆまず
はたらけど はたらけど猶わが暮らし楽にならざり ぢつと手を見る
ふるさとの訛りなつかし 停車場の人ごみの中に それを聴きにゆく
不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸われし 十五の心
いいねいいねえ〜、まさか還暦過ぎに石川啄木が沁みるとは、思えば遠くへ来たもんだ。啄木くん、素敵だ。
まわるまわるよ時代は回る 喜び悲しみくり返し 今日は別れた恋人たちも 生まれ変わってめぐり逢うよ
めぐるめぐるよ時代は巡る 別れと出逢いをくり返し 今日は倒れた旅人たちも 生まれ変わって歩き出すよ
ハッピー・バースデー美空。美しく回転を続ける君の姿に、ジイジくんは、つられてくるくる踊り出す。ありがとね。
澱みなき循環の一役を果たせれば、それが君への恩返し。倍返しだ!いやほんとに、美空よ、いつもありがとね。来年の誕生日も大騒ぎで、大笑いで過ごそうぜ。