ご近所の藤田さんからリフォームの設計依頼がありました。
大工さんに建ててもらったガレージがシロアリにやられているのと、庭がワンちゃんに掘られて荒れてしまったということでした。
Paln A
ガレージは解体してカーポートに。庭はテラスと目隠しと、まくら木で物干し、立水栓、ワンちゃんのトイレと庭で放し飼いするためのメッシュフェンス、それと植栽という構成です。
これをベースに検討していただき、石の素材とテラスの広さ、目隠しフェンスの選び直し、既存の芝生をはぎ取ってガーデニングスペースとするなどの変更をして、次のBプランで決定しました。
Paln B
施工が進んで全体が見えてきた段階で、芝生をはぎ取った部分に通路が欲しいということになり、次のA・Bを提案し、Bプランのイメージで施工することになりました。
Paln A
Paln B
藤田さんご一家の暮らしぶりは独特のいい感じをかもし出しています。一言でいうと田舎の素朴さと都会の便利さを賢く使いこなしている感じです。質素で身体にいいものを家族そろってワイワイと楽しく食べている、そういう感じです。Japanese Lohas!な生活。エコロジカルやスローライフとはニュアンスが少し違うこのローハス(LOHAS/Lifestyles Of Heajth And Sustainability・・・健康と環境の保護を優先し、持続可能でかつ安心で安全な社会を目指すライフスタイル)な生活感覚がとてもかっこ良く感じられました。また一軒、お手本にしたいお客さまと出会えました。
藤田邸のビフォー・アフターです。
Before
After
Before
After
Before
After
Before
After
プロバァンス風の塗り壁にターコイズブルーの窓枠の家も憧れますが、こういう普通に和風の家も実はとっても湘南っぽくて魅力的です。とは言っても藤田家の皆様は和風にこだわってはいなくて、逆に洋風の明るい感じを取り入れたいということでしたので、写真のようにレンガやジュラストーンを使いました。門扉周りのマキや鉄平石との調和を意識しながらの設計でしたが、いかがでしょうか。私としては、ヨーロッパの庭園の一角に枯山水があるというのの逆パターンで、けっこうおもしろい感じの空間が出来上がったのではないかと・・・。お客さまには好評だったので◎です。
子どもたちも成人して庭で遊ぶこともなくなり、いつの間にか荒れてしまった庭。時々気にはなるがそれもまた見なれてしまって、そのまま時間が過ぎ、さらに庭は色を失っていく。これがごくごく一般的な庭のライフサイクルです。これは庭だけではなくて茶の間や台所も同じです。さらに言うなら夫婦がそうです。そう考えるとそういう時期(倦怠期)にガーデンリフォームするということは、夫婦と家族の次の舞台をつくるということ、実に素晴らしいことです。荒れてきた庭にまず気付くこと、さらにそれをこんな風に修正しようというイマジネーションを持つこと。そこからガーデンリフォームが始まります。藤田さんご夫婦のように喜々として意見を出し合いながらガーデンリフォームのプランを考えるご夫婦に、倦怠期は無縁なのです。わが家もそうありたいものです。
とても印象的だったのは、お隣との目隠しをほんのちょっとにしたいというご要望です。「仲良しだから」ということでしたが、それならば目隠しをしなければいいのに・・・、でもそうじゃないんです。お隣がこちらを気にしなくていい程度に、という目隠しをイメージされているのです。いやあ見事な近所付き合い、感服いたしました。
ROHASの基本はココロとカラダの健康です。日々そのことを意識しながら、お隣さんだけではなく、世間様と、そして妻とこんな感じで関係を持てるようになりたいなあ、そんなことを思う機会を与えてくれた藤田邸の仕事でした。