医師に言わせると、人の悩みは主にホルモンバランスの不調によって引き起こされているとのこと。だから同じ苦難にあっても、落ち込む人と、さほど気にしない人に分かれ、それどころか苦難を跳ね返そうとパワーアップする人もいるのは、つまりは脳に作用するホルモン量の違い。ではそのホルモンはどこでつくられるのかといえば、それは腸内のお花畑です。ということは、腸内フローラガーデニングが良好な人は苦難にへの耐性が高い、となるのです。
脳に作用するホルモンの代表格は3つ、アドレナリン、ドーパミン、セロトニン。アドレナリンは外部からの危機やストレスに対して最善の行動(闘争か逃走か、など)を選択するために必要で、ドーパミンは快楽や意欲を高める働きがあり、心地いいと感じることや感動で産生される。もうひとつのセロトニンは精神を安定させるものでありまして、これが不足すると暴力的になったり、逆にひどく落ち込んだりします。
ここ数年はセロトニンブーム、そこから派生したオキシトシンブームもあり 、ひっくるめて腸内フローラブームとなり、何を食べたら腸内環境が整い長生きできるという番組が立て続いて、フローラ好きのぼくとしてはチェックしているうちに「そんなに体に良いものがたくさんあるなら胃がもたない、こりゃあ体に悪そうだ」となり、野菜と発酵食品をそこそこ、くらいにとどめている次第。この頃では次なるムーブメントの睡眠ブーム到来でありまして、睡眠負債が流行語大賞にノミネートされるなど、人々の興味はどうやらすっかりダイエットから健康へと移行したもようです。
かくいうぼくも時流に乗って勉強中。何たって生まれ持っての悩み多き脳ミソを頭に乗せつつ年齢的には還暦直前となりましたので、仕事上、体力気力の維持が大問題。その手の本を買いあさっては夜の庭で熟読しています。そんな数冊の中で特に面白く、腑に落ちたのがこれ、根来秀行著『眠っているうちに病気にならない体をつくる本』。