誰の番組だったか、昨夜庭で流しっぱなしにしていたラジオで「太るより痩せる方がお金がかかる」というのがありまして、一夜が明けてそれがまだ頭にこびりついていたもので、そのことを少しだけ。
庭へ
庭の背景がセイタカアワダチソウで黄色く染まりました。
い〜い季節です。
花言葉は「生命力」「元気」「唯我独尊」。
確かに、昭和時代は裕福さと体重は比例していました。ところが今は痩せるためにダイエット食を買い、ジムやライザップに通うという逆転現象となっており、痩せるにはコストがかかる時代です。これは全体的に豊かになったということでありまして、コロナとかいろいろ大変なことはあるにしろ、いかな状況になろうと餓死する心配はゼロ。腹が減って腹が減って死にそうだ、みたいなことって言わなくなったし、きっとあなたも何年も感じたことがないですよね。それはそれで素晴らしいことなわけですけど、あの空腹感、飢餓感、ひと口のご飯を脳が痺れるほど美味しく感じたあの感覚を懐かしく思ったりもします。
快感は満ち足りたら失われてしまうもの。とびきりの快楽である感動も不足や不満が原資ですから、これでいいや、そこそこでいいや、まあこんなもんでしょ、などと呟くことは感動から遠ざかること。年齢に関係なく、体調や状況に関係なく、不足と不満を見定めては解消に努める感動体質でいたいものです。
そこで、庭なのですよ。庭を楽しむ人たちは例外なく感動体質。それは庭が変化をやめない場所だから。植物は成長し、枯れてゆく。芋虫が葉っぱを食べ、羽化して飛んでゆく。嵐が来れば枝が折れ、鉢がひっくり返り、塩害で枯れ枯れになる。それを美しく維持するには掃除や手入れが欠かせないわけで、しかもただ復旧するだけでなく、数ヶ月後の花咲く庭をイメージしながら植え替えやバラのシュートを誘引するという、古い歌ですけど『未来予想図』を思い描くという営みを日々繰り返しているわけで、当然のことながら暮らしは予想図方向に展開してゆく。すると行き先に、次々に感動が待ち構えている。
そうやって感動体質になってゆくほどに、あーら不思議、ダイエット効果があるんですねえ。これほんとですよ。ご近所の庭好きの方を観察していただければ一目瞭然、一見するとふくよかな笑顔でしょうけど、でも不健康にでっぷりしている人はいないはず。だからですね、大枚叩いて減量するよりも、その分で花鉢を買いに行きましょう。
一昨年、うちの庭から飛び火した
アスクレピアスも仲間入り。
花言葉は「健康な体」「私を行かせて」「小さな恋」。
みんなが貧乏だった時代は幸福とは経済力のことでした。今はどうでしょう。やっぱりお金ですか?ですよねえ、そりゃあそうですよね。でもね、同時に心の健康が重要な時代になったわけで、皆さん、お金は心にいいことに使いましょうね。あ、ちなみに、園芸コーナーに冬用のバラが並び始めました。大苗で3千円前後。パンジー・ビオラは200円、ガーデンシクラメンは300円。春爛漫と見まごうばかりの庭を思い描いて、庭へ。イメージできたらできたも同然。不満を糧に晩秋から冬へ、元気いっぱいで過ごしましょう。
コラム『庭をつくる人』はこちらへ→→→→『横浜ガーデンデザイン!幸せな庭のレシピ』