日食は太陽と地球の間に月が入り、月そのものが太陽を隠してしまう現象で、それに対して月食は、月と太陽の間に入った地球の影が月に落ちるものです。つまり月面からは、地球が太陽を隠す日食が見られるわけで、想像すると『ツァラトゥストラはかく語りき』が聞こえてきそうですよね。
昨夜はほぼ皆既な部分月食でした。そのピークは午後6時15分であるとのことで、昼間からワクワク。ところが仕事が長引き帰宅したのは6時で、すでに天体ショーは佳境に入っています。慌ててカメラを携え庭へ。何やらご近所が賑やかで、高台にある庭から見下ろしたら結構な人数がスマホや三脚装備のカメラを空に向けていて、ああいい感じ、「これが天体への正しい態度である」などと喜んだのもつかの間、薄雲が月を隠してしまいました。ご近所からは子どもたちの落胆の声が聞こえ、半分以上の人が帰ってゆきました。