思えば年明けから横浜は晴天続きでありまして、空気が乾ききっていたので乾燥肌のぼくとしてはありがたく、ああモイスチャ〜と気持ちまで潤い設計にのめり込むことができたしだいです。
以前ラジオで入手した情報、ピーター・バラカン氏もぼくと同じく乾燥肌で（湿度が高いイギリス出身）冬は全身に馬油（バーユ）を塗っているとのこと。 なんだか良さそうだなあ馬油、という話を女房にしたところ、翌日ドラッグストアで買い求めてくれました。
偽薬効果・庭を美花でいっぱいにする方法
偽薬効果・庭を美花でいっぱいにする方法
庭を美しい花でいっぱいにする方法。
昨日１月３１日の予報は雨のち雪、とはいうものの降り方はパラっときた程度で日中は陽射しもあり、雨は夜更け過ぎに雪へと変わることもなく、気温は低いながら穏やかないち日となりました。
馬油ってこれでしょ。
ああ、ありがとありがと。
すっごく安かった。
さっそく塗ってみたらなかなかいい感じで、ベタベタしないし、数日使ったらお肌はしっとりスベスベで痒みは出ない。やはりバラカンさんはDJの選曲と同じく素晴らしいチョイスをするなあ、さすが！と感心したのであります。
ぼくとの会話でさっそく買ってきてくれた女房に感謝しつつ、でもカオリさん、「すごく安かった」は余計だと思うのだが。プラシーボエフェクト（偽薬効果）というものがあってだな、信じて使えば小麦粉で熱が下がり、オリーブオイルで痛みが消え、砂糖水を塗って傷が消えたりするんだから。「これとっても高かったのよお。でもあなたのためだから思い切って買ってきちゃあ」とか言って手渡してくれたら、きっと中国四千年の歴史が培った神秘の塗り薬と思い込んで、お肌の保湿効果だけでなく、精神的には孔子や老子や、陰陽師の安倍晴明、かの天才の誉れ高き軍師である諸葛亮孔明のごとき気分となり、鬼神の勢いで庭を思い描いたであろうに。
医師や脳科学者の著書にはしばしば「薬３割、気持７割」というようなことが出てきます。病は気から、信じるものは救われる、偽薬効果は絶大なり。いやほんとに実感込めて、思い込みとは膨大なる徳川埋蔵金、未知なるパワー、あらゆることを可能にする神秘の精神状態なり。
というわけで、毎朝庭に出ては「われは天才なり」と思うことにしています。天才軍師であるカオリ殿にそれを話したら、「ったく、バッカじゃないの。あんたねえ、本当の天才は自分を天才とは思っていないでしょ」と。・・・確かに。
だがしかし、旦那様を凡才にするも天才にするも、奥様、あなたの言葉ひとつですぞ。
あのね、あなた、ちょっと話したいことがあるんだけど。
え、なに？
男の脳内には一瞬にして「いかん、あのことがバレたのか、いやそんなはずはない、じゃああれか、はたまたあれが気に障ったのだろうか、いやいや積もり積もったストレスでついに・・・」などと思考がしどろもどろになり、次なる恐怖の展開に対するありとあらゆる言い訳が浮かびます。
な、な、なんだよ。
あのね、わたし、いまさらこんなこと言うのは恥ずかしいんだけど、あなたって天才だよね。仕事も家庭もあなたのそのすごい才能で維持できているんだと思うとね、有難いなあって。無理せず頑張ってね、あ・な・た。
あ、ああ、あああああ、そう。・・・まあね、ははは。
この瞬間に男のマインドはすっかり稀代の天才に変身して自信満々となり、あなたのためなら火の中水の中、滅私奉公、スレイブにでもサーバントにでも、会社のトップセールスにでも、庭を美しい花でいっぱいにするガーデナーにでも、あなたが望む通りに才能を開花させるのです。
もったいないことに多くの女性が気づいていないわけですけど、これ、ほんとですよ。ただし過労死を招く危険性がありますので、偽薬は用法・用量を守ってお使いください。
凍てつく空気に咲く花は、天与の才がなせる技。では我が才覚はいかばかりかと問いながら、せめて花咲くその日まではと、自分を信じて偽薬飲む。
ウメ
ボケ
ロウバイ
サザンカ
ピーター・バラカンの人生を変えたという名盤、マイルスのイン・ア・サイレント・ウェイ。
天才の世界にどっぷり浸り、庭を思い描いています。
