忙しい忙しいって言いながら、この頃ロスが多いんですよねえ。毎日生真面目に、優先順位に従って、同時に気分にも従って、できるだけ庭設計に適した良好な心身をキープしながら活動を続けているのですが、が、ですが、どうもつまらないミスで努力が水の泡になってしまう。例えばいち日がかりの設計が、店を片付けてパソコンの電源を落とす段で保存し忘れたりとか。いやはや。
雑草族
雑草駆除は必須なれど、庭以外では愛おしい被写体。
見つめるほどに擬人化が進み、同族意識に癒される。
水の泡、水泡に帰する、バブルです。50歳以上の人にとって、バブルとは崩壊の枕詞でありまして、何でコロナ封じ込めのバリア戦法をバブルなんぞと呼ぶんでしょうかねえ。バブルは間違いなく弾けるし、それをご存知の方々が敢えて使っているわけで、ん、待てよ、これがその方々の微かな誠意に基づく抵抗的警鐘なのかも。バブルで封じ込めます、が、そんなの当てにならないから期待してたら痛い目に遭いまっせ。政府の方針などに振り回されることなく、しっかりと自分の身を守ってくださいね、みたいな。
なんか、不謹慎ですけど楽しくなってきました(時代の目撃者となるわけですから、という意味で)。いろんなことが、どうなって行くんですかねえ。ここで大事なことは、どのリーダーが何を言うかをシカトせずにしかと目つめて記憶しておくこと。その昔、権力者によるパンとサーカス(愚民化政策)で、やがて滅んでしまったローマ帝国と同じ道を辿るのか。まさかね。でもねえこれだけまさかが立て続くと何がどうなっても不思議じゃないわけです。ではこの異常事態において私たちはどうしたらいいのか、それはですね、ガーデニングに励むこと。
うやって何でもかんでも庭と結びつけるなよ、などと言うなかれ。「ブルータスお前もか」の件でもそうであったように、リーダーの弁舌に扇動された民衆は支持をカエサル、ブルータス、アントニーと二転三転させながら熱狂を続けていましたが、それを「男どもはアホや。そんなことより畑を耕して、市場に行って、子供に夕飯作らなきゃ」と洗濯しながら井戸端会議をしていたご婦人たちの正しき逞しさたるや。日本の戦国時代でもそうで、人殺しが今で言うお役所や企業の仕事だった武士たちのチャンチャンバラバラで、無惨に血に染まり踏み荒らされた田畑を「まったくひでえことをしやがる」とぶつくさ言いながらも、逆らうこともできないし、せっせと復旧作業をしては作物を育て続けた農民たちがマイノリティーだったわけです。
民衆とは偉大なり。国が滅びようとも民は、家族は絆を強めて生き残る。リーダーのおじいちゃんたちのことは、最低限、戦争だけは起こさないように監視しておいて(しょうがないですよね。そのうちに失言で自滅して、あるいはめでたく天寿を全うしたら、颯爽とマントをひるがえしたアントニーが登場することでしょう)、家庭円満を旨として今日を過ごしてまいりましょう。家と庭で家庭ですから、ね、ほおら、だから言ってんですよ。混迷においてはガーデニングに励むが肝要なり。
あ、それとですね、皆さんこの時期に雑草が雑草がって騒ぎますけど、そんなの暮らしのお作法でチョチョイのチョイで引っこ抜いたら気分爽快になります。もしも度を越して繁殖しているとしたら、オリンピックと同じで何か設定が間違っているということ。ぜひご来店ください。案外単純な事柄を整えれば雑草は愛おしい存在になります。なぜならぼくもあなたも、遥か遡ってローマ時代より、民衆とは雑草族なんですから。え、私は園芸品種ですって。ナヌ!薔薇ですかあ。どうりで、君は薔薇より美しい。すると雑草は大っ嫌いな暴走族、じゃなかった防草族ですな。おっと、こりゃまた失礼いたしましたっと。では失敬仕る。庭に出て、雨が来ぬうちに草取り草取りチョチョイのチョイ。