いつものマリンライトとちょっと違います。レトロなデザインの「古色」という製品にしました。
築30年ほどの落ち着いた庭がベースですから、今回はこの方がいいかなと。3灯使いました。
何せ、年期の入ったこの庭には、その主のようによく手入れが施されたマキとマツが、どっしりと庭の雰囲気を支配していたもんですから、いつものマリンライトだとちょっと違和感があるかなと。
ガーデンリフォームではこのマキとマツと、そしてツゲを伐採することが多いのです。「古くさい感じがする」というのと「手入れが大変」というのがその理由です。
でも今回は違いました。ご夫婦からそういう話は出なくて、逆にこれらの木が馴染む庭づくりという方向で進みました。そういうことが久しぶりだったのでうれしかったです。
いいんですよねえ、こういう仕立物の木って。姿かたちもいいんですけど、お盆前や年末に、三角ばしごに登った植木屋さんがチョキン、チョキンとハサミを鳴らしている光景。その後にやってくるお盆や正月の家族の幸せな時間の準備って感じがして。ぼくは住宅地を歩いていてそういう場面に出くわすとついつい足が止まって、ふるさとを思い、ひとりグッと来ているのです。
チョッキン、チョッキン。一年の節目を大切にするためだけにでも、こういう手間のかかる、昔ながらの木を残しておくってのも、いいですよね。
そういえば、92で亡くなったうちのじいさん、最後に入院する前日に自慢の坪庭ではしごに登って、チョッキン、チョッキン、やってたなあ。
美しく仕立てられた庭木が、その家の家族の暮らしぶりをうかがわせる。考えたらそういうことも昭和時代の懐かしい話になりつつあります。
チョッキン、チョッキン、いい音なんだよなあ。
昨日、12月8日はジョン・レノンの命日で、同時に真珠湾攻撃の日でもあったんですよね。
それを指揮していた山本五十六はぼくのふるさとに近い長岡の人。山本は決して好戦的な人ではなく、逆に戦争回避に奔走していたのだといいます。そしてはっきりと「日本はアメリカに勝てるはずがない」と言っていました。それがなぜ、トラ!トラ!トラ!と、その後の悲劇の口火を切ったのか。
まじめだったんです。自分が与えられたポジションに立って、「日本軍は◯◯◯ねばならない」「我々軍人は◯◯◯べきである」と正しい決断をして、結果、太平洋戦争に突入していきました。後に長岡はアメリカによる報復の空襲で焼け野原になりました。
ぼくたちも、職業人としてなどの社会的なポジションに立って、そこで正しい決断を繰り返していますよね。気をつけましょうね。
特に組織のトップが「◯◯◯ねばならない」と「◯◯◯べきである」と握りこぶしでする決断は危険です。
ではどうしたらいいのか。ぼくの答えは「自然に聞け」ということです。
「自然に聞け」、これは庭を考えるときの通奏低音なんですね。
武士道精神で、目を血走らせて、決然と戦いに挑んでいった日本軍。心地よいハワイの日差しと空気の中で、家族でブランチを楽しんでいたアメリカ軍。自然を満喫しながらの団欒のひと時にいきなり編隊を組んだ零式戦闘機が襲いかかったんですから、ね、シッペを返されるのはあたりまえなんですよ。アメリカにしてみたらこの奇襲はあまりに無粋というか狂気というか、まあ戦争ですからね、どっちが正しいとかそういうことじゃないんですけど・・・それにしても手痛いシッペでしたね。悲しい悲しい、シッペ返しでした。
「自然に聞け」って、庭屋のぼくにとってはごく普通のことなんですが、どうですかね。ピンときますかね。
戦争を知らない子供たちのぼくらが戦争を語ると、すぐに「おまえに何がわかる!」と叱られるか、即、左右のレッテルを貼られて社会的に仕分けされるのが常でしたので、あまりそのことには触れないようにして生きてきた気がしますが、そろそろね、好き勝手言っても許してもらえる気がしますので言いますけど、もし、軍部の人たちの家庭に「権威主義的な『眺める』」じゃなくて「家族で楽しむ『過ごす庭』」があったら、そういう庭文化が日本にあったら・・・。
実感として、庭(自然)は部屋から眺めているときよりも、そのただ中で過ごしているときの方が、何百倍も語りかけてくれます。そういう庭があったら、毎日「自然に聞け」を実践できるのです。
昨日のマキとマツの他にも和風の庭に欠かせない木が植わっていました。
モミジ
秋の庭の主役的存在のモミジです。紅葉と書いてモミジと読むくらいですから秋が美しい木なんですが、春の芽吹きもいいんですよ。芽吹いた直後の赤い葉は秋とはまた違った、生命力のかたまりのような色です。
モッコク
この木は和の庭では「庭木の王様」と呼ばれています。今はそんなこと言う人も少なくなりましたけど、修行時代にモッコクの選定のときは緊張したものです。
クロガネモチ
これも年期が入った庭でよく見かける木です。
クロガネモチは語呂合わせで「苦労金持ち」、苦労して頑張ればお金持ちになれるという、縁起のいい木です。
盛大に実る赤い実は鳥を呼びますので、室内から見える位置に植えればバードウォッチングが楽しめます。
ここまでは和の庭で人気の高い木でした。
次は今風の、今最も人気がある木です。
ジューンベリー
後日、奥様がこの木に生った実で作ったジューンベリー酒をご紹介します。
次はヒット曲ですっかり人気者になったハナミズキです。
アメリカハナミズキ
花は白と赤(ピンク)があってう~す紅色の~の品種の方が白よりも高価です。
そのハナミズキに洒落たオブジェを発見!
明日はこれを。
ジョンの命日から始まって、昨日は真珠湾攻撃のこと、そして「自然に聞け」という展開になりました。
ネタを引っ張るわけじゃないんですが、ジョンと言えばやっぱりこの曲「イマジン」ですよね。
John Lennon Imagine
想像してごらん
想像してごらん 天国はないと
簡単でしょう
地面の下に地獄もない
私たちの上に空があるだけ
想像してごらん 今日を生きている
全ての人たちを
想像してごらん 国境にない世界を
そんなに難しくないさ
命を奪う武器もなくて
宗教の違いもない
想像してごらん 平和に生きている
全ての人たちを
ぼくは夢想家かもしれないけど
ひとりぼっちじゃないよ
いつの日か仲間になって
世界がひとつになる
想像してごらん 財産のない世界を
あなたにできるだろうか?
欲張りや飢餓の心配もない
そんな人類の兄弟愛
想像してごらん 世界を分かち合う
全ての人たちを
さっ、イメージイメージ。イメージできたらできたも同然。今日もはりきって「幸せな庭」をイメージしますよ!
ハナミズキの枝に発見したオシャレなオブジェ。ぼくはてっきり奥様が買ってきて取り付けたものだと思って「すてきなの見つけてきましたねえ」と言ったんですけど、そうではありませんでした。「あれですよ」と奥様が指差す方を見たらメジロが飛んでいました。
メジロの巣、美しいですよねえ。
小鳥がくちばしでこれを作るんですから、驚異的です。
しかも、ビニールを細く裂いて編み込んであるので、今年の台風直激でもびくともしなかったそうです。
不思議ですよねえ、誰が教えたわけでもないのに、この技術とセンス。
いったいどんな衝動にかられて巣作りするんでしょうねえ。見れば見るほど、並大抵の気持でつくれるものではありません。ウ~ン、ほんとにすごい。
このメジロハウスから5羽が巣立っていったそうです。
家を持つということへの欲求は、本能的なものなんでしょうねえ。そしてその本能的な情熱の源泉は家族への愛情なんだということを、ぼくは日々お客様から教えられています。
愛情を形にしたものが家であり庭なんですよね。その愛情が強ければ強いほど、家も庭も個性的で魅力に満ちたものになります。ぼくの仕事はその愛情表現のお手伝いなのです。
昨日はパソコンの機嫌が悪くてアップできませんでした。
今朝はうそのように調子回復。いったいぜんたい何が原因だったのか、調アナログなぼくにはかいもく見当もつきませんけど、まあ機嫌が直ってくれたので問題なし。
ではいつものように。
これですよ、これこれ。奥様が庭のジューンベリーで作ったお酒です。きれいでしょう!
味も抜群でした。アァ・・・写真を見ていてもあの味と香りがよみがえってきます。
奥様がジューンベリーを植えたのは5年前。植木屋さんに「かわいい花が咲く木だよ。実も食べられるらしいし」と勧められるままに植えたのだそうです。
考えたら、今は大人気のジューンベリーも、5年前はまだあまり知られていなかったんですよねえ。
背丈ほどの木を植えて4、5年経つと、木が成熟してきてたくさん実がつくようになります。そうしたらジャムや果実酒を存分に楽しめます。いいですねえ、ジューンベリー。
作り方は梅酒の要領で、ただし、氷砂糖は少なめにということでした。
他にもいろんな果実酒に挑戦しているそうです。楽しいですよねえ。
我が家もフルーツ大好きで、リビングのテーブルには一年中果物が置いてあります。今はカキとミカンです。
カキと言えば、我が家ではやっている食べ方があります。ひとくち大に切ったカキに酸味の少ないヨーグルトをかけて食べるのです。そうするとですねえ、なんとなんと、メロンの味がするんですよ。「お~い、メロンの食べ放題やるぞ~]と言ってはそうやって食べています。
お酒とは別にサワーも作っているということで、こちらも味見させていただきました。
これもきれいでしょう!見た目通りに味もきれいでした。
生活楽しんでますよねえ。一本の木でこんなに楽しめるんですね。
ジューンベリー、最高です!