今日はイントロダクション、お話しは明日に続きます。そんな鈴木さんご夫妻に提案したプランをご覧下さい。
ご主人手作りの炉を活かす-鈴木邸
<いわふちのブログから>
興味深い夫婦関係( 鈴木邸 1)
鈴木家の興味深い夫婦関係、そのこころは、ご主人と奥様の庭への見解がキッパリと正反対で、ご主人はアウトドアとDIYとガーデニングに夢中、奥様はそれらには一切興味無し、というかはっきりと「外は嫌い」とおっしゃいます。週末になるとご主人はキャンプに行ったり庭でラティスのペンキ塗りをして、奥様は娘さんと外出です。以前丹沢でのキャンプ帰りに来店されたご主人に「奥様も行かれたんですか」と聞くと「うちは趣味が合わない夫婦なんで」と軽やかに笑っていました。ご主人が庭にはまって奥様の出る幕がないというケースにはよく出会いますけど、奥様がまったく庭に興味無しというのは初めてです。まるでお互いに一歩も相手の陣地に入ってはいけないという取り決めをしているかのように、奥様は庭の話には入って来ません。それなのにっ、です、お二人が並んでいると明らかに同じオーラが出ていて、一心同体のような、同性の無二の親友のような、幾多の戦いを経験した戦友のような・・・、これ以上の組み合わせは考えられないと思えるベストパートナーな感じがするのです。お二人のこの絶妙な距離感、間合い、それが結婚当初からのものなのか、長年夫婦をやるうちに身に着いたものなのかは不明ですけど、私にはすごく心地よいことにように感じられるのです。
・・・そうか!あの興味深い夫婦関係のベースは“少年のようなご主人の感性”なんだ! アァ、何だかあれこれ考えているうちに技の極意が見えて来た気がします。やんちゃ坊主みたいに趣味に興じるご主人の少年性に奥様はぞっこんなんですね、きっと。
そんなご主人の遊び場をリフォームする今回のプラン、最終打合せで予算が30万足らないとなった時に、それまで口を挟むことのなかった奥様が一言「じゃあ私が出してあげるわ」。そのときのご主人の嬉しそうな顔が忘れられません。すばらしい夫婦関係なのです。
何かすてきな結論に達した気がします。考えたら私は、結婚してから「仕事が趣味ですから」などと言いながら、自分の中の少年性を失ってしまっていた気がします。いくら一生懸命仕事をする真面目な亭主でも、それが奥さんにとって魅力的な男とはいえないということですねえ。そういえばクレイジー・ケン・バンドのニューアルバム『GALAXY』、またもや名作誕生で感激しながら聞いているのですが、テーマが『男の赤ちゃん返りですよ。』でした。さすがは横山剣さん、今、時代的に必要なのは“男の赤ちゃん返り”、生活と無縁な世界で無邪気にのめり込む少年の感性なのです。オォ! 何年ぶりかの大きな反省点、忙しさに負けないで、少年に返って無邪気に遊ぶ時間を確保せねば。「ねっカオリちゃん、それだよね」
妻カオリ:「最近忙しいからって、そんなに一生懸命遊ぶ言い訳しなくてもいいでしょ。赤ちゃん返りしなくていいから、早く仕事してください!」
Before
After
Before
After
けっこう劇的でしょ。
ここのところ設計以外の仕事があれこれ重なってしまって、たくさんのお客さまを待たせっぱなしで申し訳なく思っています。遅れ気味ながらもコンスタントにこなしていますので、もうしばらくお待ちください。ちなみに現在設計の中身はノリノリです。レノンが降りっぱなし(宇多田ヒカルはミューズが降りてくると言っていますが)で、設計しながらその庭で展開するであろうドラマが、映画の予告編のように頭の中で流れて、ひとりでニマニマしながら設計していたり、ストーリーによっては情感が高まってしまって、ウッ!となったりしています。いい状態です。ですからお待ちの皆様、お楽しみに。とは言ってもほんとに待たせ過ぎですよね、申し訳ありません。このコンディションを保ちながらもう少しピッチを上げます。
<カオリ>
ここまでやったところで、いわふちは早々にダウンしてしまいました。忙しかったり、熱くなったりで少し疲れたのでしょう。こんな時はお庭や植物の写真はやっぱり癒されますね~。
ところで、ご紹介している鈴木邸の近くを昨日うちのスタッフが通りかかったら、さっそくお庭で何人かでバーベキューをされていたそうです。うれしいですよねー。そうやって使っていただけたり楽しんでいただけていること、つくった庭に笑顔があることは、ガーデンデザイナー冥利に尽きます。
また明日からガンバリますので、よろしくお付合いください。
奥様公認のご主人の遊び場。ご覧のような部材・素材で構成しています。中でもバーベキュー炉、いい感じでしょう。これはご主人の手作りなのです。リフォーム前からあったこの炉からイメージを広げて設計した庭なのです。
ジューンベリー
トネリコ
シマトネリコ