宅地が道路よりも上がっていて、ガレージの天井スラブが丁度庭の高さ。庭の一角をコンクリートが占領している状態です。
さあこれをリフォームするにあたって、デザイン的に考えるべきことは次の通りです。
1、コンクリートの無機質感を消して庭と馴染ませる。
2、その場所に意味を与えて使えるスペースにする。
3、長方形の庭側の角を消す(隠す)。
いきなり理屈っぽいと思われそうですけど、デザインするってそういうことなのです。問題をはっきりさせてそれを解決・解消するために必要なカタチが生まれる。つまり、お題をいただいて、そこにどういう問題点があるのかを言葉で説明し、その解決方法、方法じゃなくても考え方なんかをこれまた言葉で表現できないといけません。
とはいってもお客さまにそれを逐一報告するということではありません。自分の中でそのお題を解析できるかどうかということです。デザイナーが何を考えているのか、どこまで考えているのかはお客さまにはわからないことなので、提出される絵がきれいだとか、営業さんの人柄がいいとか、他より値段が安いとか、そういうことで仕事を依頼しがちですけど、この問題を見極めてそれを解析するというプロセス無しで、いきなり線を引きはじめる自称ガーデンデザイナーも多いので・・・。
あまりに暑くて疲労困憊、現場から汗ぐっしょりで帰って来た妻も冷蔵庫にビールがないことを私にグチグチ言うし(私はビール係じゃないっつーの)で、ストレス指数がグイッと上昇してついつい業界非難めいたことを書いてしまいました。でもほんと、きっぱりと言いますけど、ロジック無き創造はデザインとは言えない。雑誌を見ても住宅地を歩いてもそういう類のものが溢れていて悲しくなってしまうのです。
同業者のみなさん、創造にかかわることを仕事にしている方々、暑くて脳みそが沸きそうですけど地に足付けて踏んばりましょう!デザインはデザイナーの一人遊びではなくて、クライアントが抱える問題を解決しつつ、幸福感や満足感や生活を豊かにするインスピレーションを与えるものでなければいけないのです。