ガーデニングエリア(横須賀市 岡山邸 その2)
庭の入り口から奥まで歩いてゆきます。
では解説を。
まずは植物を楽しむガーデニングエリアから。設計のポイントは次の通りです。
◇ 通路を設ける
歩く場所と植える場所を明確に区分けすることで、手入れがしやすく、視覚的にも荒れた感じにならなくなります。
ちなみにこのランダムな感じの曲線通路は、奥様とイメージを打ち合わせを重ね設計図にしてから施工しました。不規則性を表現する時に「何となく」は禁物で、不規則には不規則な規則が必要なのです。
◇ まっすぐ歩かせない
まっすぐ歩くと通路、曲がって歩けば庭になります。それと曲線によってできた広い場所に木を植えられます。
◇ お向かい側にパネルを設置する
平面だけでなく、立体的な区分けも必要です。部屋からの眺めもパネルによって地面から庭空間になりました。
◇ デッキとの境にアーチを設置する
これがいわゆる『結界』で、2つの世界を分けつつ結び、こちらのゾーンの特別感と次のゾーンへの期待感をもたらします。ご夫婦そろって、完成後に「アーチの意味がよお〜くわかりました」と唸っていました(理詰めで設計するぼくとしては、とても嬉しい反応)。
次に草花をご覧ください。園芸スタッフが奥様のお好みを伺って植えました。
ぼくはよく「庭は植物のための場所ではありません」と話します。では何のため?それは人のための場所。人のために植物が必要なのです。これが逆転すると、庭が「手入れのための場所」になってしまい、そこには雑草の種と愚痴の種が散りばめられてしまいますので、くれぐれも、くれぐれも。
次回は立体構成について。